4月 27, 2012 オンライン・リーテイラー ディスカウント・ストア 流通業 0

ウォルマートは、同社のオンライン販売で、現金での支払いを可能にしたサービスを開始すると発表した。同社の中心顧客となる中低所得者には銀行口座、クレジット/デビット・カードを持たない人達も多く、これまでオンライン購入が難しかった。連邦預金保険公社(FDIC)によると、銀行利用がない、もしくは不足している世帯が1/4ほど存在するが、銀行利用のない人達では81%、銀行利用が不足している人達では63%はインターネットに接続している。ウォルマートの店舗では、購入の支払いのほとんどが現金かデビット・カードによって行われており、クレジット・カードの利用は15%ほどである。その為、オンライン購入での現金利用の需要は大きいと観られ、このサービスを導入することとなった。顧客は、ウォルマート・ドット・コムでの購入で、チェックアウト時に現金を支払い方法に選ぶと、注文の確認番号が電子メールで送られる。顧客は注文後48時間以内にウォルマート又はネイバーフッド・マーケットの店舗で、その額を現金で支払う事ができる。支払いが完了すると、顧客が選んだ配送方法(サイト・ツー・ストアまたは宅配など)で商品が発送される。このサービスはオンライン在庫の何十万のアイテムで利用できる。

連邦預金保険公社の2009年のレポートでは、銀行口座を利用している世帯が70.3%、利用していない世帯が7.7%、利用が不足している世帯が17.9%、不明が4.1%となっており、最低でも25.6%(3千万人足らず)が銀行の利用が限定的となっている。人種別では、黒人世帯の54%、先住民(インディアン、エスキモー)の44.5%、ヒスパニックの43.3%ほどが、銀行の利用が不足している。所得別では、20%の低所得者(約700万人)は年収3万ドル以下で、銀行口座を持っておらず、銀行口座持たない人達全体の71%を占めている。

このサービスは、実店舗を持っている企業しか出来ない為、アマゾンなどオンライン・リーテイラーとの差別化にはなると思う。日本での代引き(COD)は追加費用がかかる為、小売りのオンライン販売ではほとんど利用されていない。これまで中高所得者層を中心に成長してきたオンライン販売も、今後消費者全体に広がっていくのだろう。

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オンライン・リーテイラーのアマゾン・ドット・コムは、3月31日で終わった第1四半期の業績を発表した。売上は34%増加し131.8億ドル、営業利益は40.3%減少して1億9,200万ドル、純利益は35%減少して13,000万ドル(1株あたりは32%減少して28セント)となった。同期のハイライトの一部は次の通り:

  • キンドル・ファイアがベストセラーとして人気で、キンドル、キンドル・ブック、映画、音楽、アプリなどのデジタル販売が、トップ10のトップセラーのうち9を占めている
  • アマゾン・プライムのストリーミング・サービスは、17,000以上に拡大されている
  • 北米の売上は74.3億ドル(全体の56.4%)で前年度より36%成長している
  • 英国、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペインなど国際部門は57.6億ドルの売上で、前年度より31%増加した。為替損をのぞくと32%の増加となる

2012年の第2四半期は、119億ドルから133億ドルの売上、営業利益/損失は26,000万ドルの赤字から4,000万ドルの黒字を予測している。

減益にもかかわらず、この発表後株価は13%ほど上昇している。テクノロジーや配送センターなどのインフラへの投資を続ける同社の将来性に投資が集まっているようである。売価に対する投資も積極的で、粗利だけを比べても昨年度の12.5%から今年度の10.9%へ1.6%も下がっている。勿論、この中には赤字で販売していると云われているキンドル・ファイアも含まれている。マーケットプレースで販売されている他社の商品の売上手数料を含む全体の粗利は、昨年の22.8%より1.2%増加して24.0%となっている。