4月 7, 2012 オンライン・リーテイラー ブック・ストア 流通業 1

以前レポートした、アップルによる電子書籍販売のゲーム・チャンジがアメリカとヨーロッパの司法官庁によって覆されそうである。元々電子書籍の販売は、アマゾンが圧倒的な市場シェアを持っていたが、同社のディスカウント販売に対する出版業界の不満は大きく、2010年のアイパッドの発売と同時に始められたアップル(後にバーンズ&ノーブル)による代理店方式が広く採用されている。アマゾンが卸値で仕入れて、独自の小売値(主に$9.99)を決めていたのに対し、アップルが始めた代理店方式は、出版社が売値($12.99以上)を決めアップルは30%ほどの手数料を得るやり方である。また、小売価格は市場で最低との契約条項があるため、アップルにとっては、価格競争力があり、出版社も小売価格を管理できる長所があった。しかし、これが市場の自由競争を妨げるとの指摘が監督官庁からあり、出版社の数社は示談すると示唆している。アップル社と、出版社のピアソンやマクミランは、示談の意向を表明していない。全米出版社協会によると、2011年には、電子書籍の売上は前年度より117%増加し96,990万ドルに達しており、印刷や配送費がかからない電子書籍は出版社にとっても利益率の高いものである。しかし、今後卸売りの価格体系に戻ると、出版社の利益構造にも影響するため、各社慎重になっているのである。WSJ

もし代理店販売方式が廃止されるようになると、アマゾンの電子書籍販売の市場シェアはまた増加する事になる。既に60%以上に達していると云われており、それ自体も独禁法に觝触する可能性があるが、低価格リーダーであるアマゾンには、いまのところその心配はないだろう。電子書籍販売は、新しい市場として、今後もダイナミックな動きが観られるようである。