2月 26, 2012 ディスカウント・ストア デパートメント・ストア 流通業 0

百貨店各社が第4四半期及び通年の業績を発表している。メイシーは、第4四半期の売上が5.5%増加して87.24億ドル、利益は11.7%増加して74,500万ドル(1株あたりは12.3%増加の$1.74)、既存店売上は5.2%増加した。粗利は0.3%下がって41.0%、オンライン販売は40%増加しており、既存店売上増加のうち1.7%を占めている。通年では、売上が5.6%増加して264.05億ドル、利益は48.3%増加して12.56億ドル(1株あたりは47.5%増加して$2.92)、既存店売上は5.3%増加した。粗利は0.3%減少して40.4%、オンライン販売は39.6%増加し既存店売上増加のうち1.5%を占めている。2011年度で4カ所を新開店、12カ所を閉店している。2012年度は、ソルト・レーク・シティーとウィスコンシン州、グリーンデールの百貨店、5カ所のブルミンデールズ・アウトレット店の開店が既に発表されている。

コールスは、第4四半期の売上が0.3%減少して60.18億ドル、利益は7.9%減少して45,500万ドル(1株当たりは13.3%増加して$1.81)、粗利は0.6%減少して36.2%、既存店売上は2.1%減少した。通年では、売上が2.2%増加して188億ドル、利益が4.2%増加して11.67億ドル(1株当たりは17.5%増加して$4.30)、既存店売上は0.5%増加した。2011年度に40カ所の新開店を行い1,127店舗のチェーンとなっている。

シアーズは、第4四半期の売上が4.0減少%して124.84億ドル、損失が24.04億ドル(前年度は38,200万ドルの黒字)、既存店売上は3.4%減少した。うちシアーズ国内は−4.1%Kマートは−2.7%だった。通年では売上が2.6%減少して415.67億ドル、損失が31.47億ドル(前年度は15,000万ドルの黒字)、既存店売上は2.2%減少している。うちシアーズ国内が−3.0%Kマートが−1.4%だった。また、業績発表時に、1,250店舗ほどのホームタウン、アウトレット、ハードウェア店の分離独立で4億から5億ドル、11カ所の所有不動産の売却で約2億7,000万ドルの資金を調達すると述べている。さらに、以前発表された店舗閉鎖の在庫一掃で14,000万ドルから17,000万ドル、経費と在庫のさらなる削減も述べられている。この発表後株価は19%ほど上がっており、同社の資金難の不安は解消されたようである。しかし、部門の分割はそれ自体現金を生み出すわけではなく、増資や借り入れによる資金調達となりすこし時間がかかる。不動産売却も短期的な資金調達とはなるが、本業の売上を改善する事にはならない。同社の役員会議長であるエドワード・ランパート氏は、ビジネス戦略として5つの柱を上げている。顧客との長期関係を構築、業界で最高の生産性、ブランド構築、テクノロジーと革新で企業を再発明、毎日の価値観でシアーズの道を確立となっている。うち顧客との関係では、「ショップ・ヨア・ウェイ」と呼ばれるロヤリティ・プログラムを開発しており、テクノロジーの利用もすすめている。ブランド構築は、実際には、所謂ミルキング・カウ(乳牛の乳を絞取るの意味)状態で、出来る限り現金化し、構築の為の投資はほとんどしていない。下の表は百貨店4社の粗利と販管費を比較したものだが、シアーズは粗利が低く経費率もそれほど低くない事が分かる。その次の設備投資の表を観ると、いかに設備投資に資金を費やしていないかが分かる。ランパート氏は、シアーズを小売として成功させる意思はあまり持っておらず、投資としての利益だけを考えているのである。資金調達に関しても、最悪シアーズ・カナダやランド・エンズの売却も示唆している。つまり、今回の分割や不動産売却も、投資効率をあげる為の戦略である。同氏の目標は、メイシーやJCペニーと競争して成長百貨店チェーンを創造する事ではなく、倒産申請中のKマートの買収から始まったシアーズへの投資を、いずれ利益を最大にする形で回収する事である。結果、シアーズが、売却に次ぐ売却で最終的には清算されたモンゴメリー・ワードの道を歩むのか、それとも形を変えながら新しい小売業として成功するのかまだ分からないが、明るい将来がすぐそこに来ているとは思えない。