12月 27, 2011 ディスカウント・ストア デパートメント・ストア 流通業 経済 0

シアーズとKマートを傘下に持つシアーズ・ホールディングス社は、ホリデー後に100箇所から120箇所の店舗を閉鎖すると発表した。現在同社は、2,177カ所の店舗を展開しており、閉店による在庫品販売、不動産とリースの売却で1億4,000万ドルから1億7,000万ドルの現金が得られ、年間1億ドルから2億ドルの固定経費の節減が見込まれている。同社は、12月25日までの8週間の既存店売上で、Kマートが−4.4%、シアーズが−6%、全体では−5.2%と不調だった。第4四半期全体では、利益が昨年度の利益である9億3,300万ドルの半分以下になると予測されている。2004年1月末には20.9億ドルと評価されていたシアーズの現金と短期投資額が、2011年1月31日には13.4億ドルへ、現在は約1/3となる約7億ドルに目減りしている。同社の株式の6割近くを持つESL・インベストメンツも、2004年11月のKマートとの合併時の株価約105ドルから、この発表後の約35ドルと、その価値の2/3を失っている。ロイター

大規模な改装や新店など設備投資に資金を回していない、又は回せないシアーズの批判をするのは簡単だが、ESLのCEOであるエドワード・ランパート氏の立場になって考えてみると、今回の決断の論理性がわかる。ウォルマート、メイシー、ターゲットなどと効果的に競争するには、相当額の設備投資が必要となり、現在の経済状態などを考えると投資効果が低い。それより売却益のある不動産を売却して、ニッチなマーケットに特化できるサイズにしながら、その売却益を使って設備投資を行うという事だろう。実際シアーズは、モールなどの立地でかなりの不動産を所有しており、うまく活用する事によって相当な資金ができる。南カリフォルニアのサウス・コースト・プラザの店舗も、同社は土地を含めて所有しており、昨年フォーエバー21に店舗の一部をリースしているが、リースする事によって得られる家賃収入の方が、シアーズを運営するより効率が高いと判断されたのだろう。ランパート氏がシアーズを買収した理由も、同社の現金と不動産が目的だったと云われ、景気状態が悪くならなければ、数年保有した後売り逃げる予定だったのである。ただ、経済状況が変わり、現金運用による投資利益もままならないまま経営を続けなければならなくなっている。理想的には、出来るだけ売却益を得ながら縮小し、市場シェアの高い地域でリージョナル・チェーンとして残るのが良いと思われる。百貨店、ディスカウント・ストア共、500−600店舗ずつになれば、採算の取れるニッチ・プレイヤーになれる可能性があると思うが、果たしてそれまで持つかどうか疑わしい。倒産申請も手段のひとつだが、既にかなりの投資を行っているESLとしては避けたいだろう。小売りで得られる現金を、本業のヘッジファンドで運用しようにも、どんどん現金が目減りしている状況ではそれも難しくなってきている。シアーズはもうあまり後がない状況なのである。

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コンフェレンス・ボードは、12月の消費者の自信度(コンフィデンス・インデックス)が11月の55.2(1985=100)から改善し、64.5になったと発表した。予測指標は11月の66.4から76.4に、現在の指標も38.3から46.7に上がっている。この結果は、調査会社のTNSがコンフェレンス・ボードの依頼で行った5,000世帯のサンプル調査を基にしている。