4月 10, 2011 ファーニチャー・ストア ホーム・ファーニッシング 流通業 0

世界最大の家具のメーカー/小売チェーンであるイケアは、スウェーデンに本拠を持つ私企業だが、最近サステイナブル・リポートと題する年次リポートを発行し業績などを発表している。商品の23は本拠のスウェーデン、ポーランドやイタリアなどヨーロッパで、13は中国を中心にアジアで製造されているが、アメリカにも工場がある。バージニア州、ダンビルに2008年に建設された工場である。先進的な企業として名高いイケアの子会社であるスウェドウッドの工場建設は地元に歓迎され、州や地方自治体は1,200万ドルの税優遇などを与えている。だが、操業が始まってから3年経つ現在、地元の歓迎ムードは陰り、労働組合などによる、人種差別などに対する追求が強まっている。同社で働く人達からは、昇給の停止や強制的な残業など不満が多い。彼らによると、週末の残業を金曜の夜に言い渡され、出勤しないと罰則を科せられる事もあると云う。工場で働いている335人の社員は、労働組合であるIAM(国際機械工・航空機工労組)に加盟しようとしたが、会社側は労働関係専門の弁護士事務所を雇い組合結成を防いでいる。この件に関して、スウェーデンの本社は噂であると否定している。しかし、アメリカではあまり話題にならなかったこの問題は、労働者のほとんどが組合に加盟しているスウェーデンの新聞の一面で報道された。スウェーデンのスウェドウッドの工場の組合長は、「イケアの労働条件に反します。同社のIWAY(Code of Conduct:行動規範)は、労働組合の結成の自由と残業の任意性を規約しています。イケアは優れたブランドとして、スウェーデンの良さを代表すべきで、アメリカの労働条件の問題は我々にも大きな問題です」と述べている。スウェーデンにあるスウェドウッドの工場に働く労働者は、バージニア州のダンビルの工場と同様の商品を製造しているが、国で定められた最低時給の約19ドルと年5週間の休暇を得ている。一方ダンビルの工場の初任給は時給8ドルで、年間の休暇は12日間、そしてそのうち8日間は会社で決められる。また、社員の13は、地域の派遣会社から送られており、彼らはさらに安い賃金で休暇や福利厚生なども無い。会社側は、派遣社員は減らしているとコメントしているが、ヨーロッパとアメリカでの労働条件の違いは認めている。ダンビルは、ノース・カロライナ州との州境に近く、煙草の畑が多い地域である。人口45千人の同市には、使われなくなった倉庫や工場が多く、新しい雇用者となる企業誘致をしており、イケアはその1社となった。当然雇用創造にはなっており、工場で働く人達は、管理者もほとんどがアメリカ人である。工場は窓のない箱の様な白い建物が並んでおり、青と黄色のスウェーデンの旗が掲げられている。中では、小売価格$69.99の本箱や$19.99のコーヒー・テーブルが造られている。この低価格は、景気後退後でもイケアの業績を支え、2010年には利益が前年度より6.1%増加し27億ユーロとなっている。それでも昨年の秋には、スウェドウッドのアメリカ工場では、定期昇給を止め、他の報償も減らした結果、包装部門の初任給は時給9.75から$8.00になった。会社側はその分ボーナスや賞与に回したと説明しているが、ダンビルの中間時給は$15.48である。労働時間に関するルールも厳しく、破るとポイントが課され、9ポイントになると解雇される。同工場で働いていた6人の黒人社員は、一番時給の安い職種しか与えられないとして、雇用機会均等委員会に訴えている。会社側はそのうち4件を調停で示談している。企業がコストを削減する努力するのは当たり前だが、消費者の間で評価の高いイケアで、こういった問題が発生するのは意外に聞こえるのである。ロサンゼルス・タイムズ