11月 22, 2008 ディスカウント・ストア 流通業 経済 0

今日、南カリフォルニアのパサデナにあるターゲットに買い物に立ち寄ったら、このサイトで既報の食品販売を既に導入していた。スーパー・ターゲットに比べると生鮮はかなり少ないが、生活必需な食品は揃えることが出来そうである。この売場を観ていて、筆者のお気に入りの小売店のひとつであるターゲットを比べるのはしのびないが、Kマートを思い出してしまった。Kマートは、1997年頃に「ハイ・フリークエンシー・ストア」という戦術を実行した。これは顧客の来店頻度を高める為に、当時は人気のあったマーサ・ステュアートやパントリーと呼ばれる食品売場を導入したプロトタイプであった。当時ウォルマートとの競争で遅れをとっていた同社の復活戦術で600カ所くらいの店舗に導入されたと憶えているが、あとは歴史が物語る通り、2002年以降2回の会社更生法申請、シアーズとの合併に至るのである。勿論、ターゲットとKマートではマーチャンダイジング能力などで格段の差はあると思うが、現在の消費者環境である程度の売上を維持するために取った手段はこれしか無かったのかと思う。マイケル・ポーターが「Generic Strategies」で云っているように、コスト・リーダーシップを持っている企業以外は、「Differentiation Strategy」を持たなければならない。小売業界では、ウォルマートがコスト・リーダーシップを持っているので、これまでターゲットはソフト類で差別化をして成功してきたわけである。食品という同じ土俵で競争することはあまり良い戦略とは云えない。スーパー・ターゲットが余り伸びていないのは同じ理由である。

同じターゲットの話題で、昨日投資家グループのパーシング・スクウェア・キャピタル・マネージメントの、敷地を投資リートに移して別法人化する再提案を経営陣が却下したというニュースがあった。この提案は、借地代が経費とし認められる事以外ほとんど具体的なメリットがみられない。プレゼンテーションを観ても、リートのIPO(新規売り出し)による株価上昇が前提で、株式市場の低迷しているときに、一社の資産を二つに分けて全体の価値が上がるとは思えない。ターゲットの株式が低迷して実損を被っている投資家の苛立ちは理解できるが、ターゲットの将来性を考えていない投資家だけの利益追求アイデアと思われる。いまターゲットに必要なのは、同社の主要顧客である、経済状態が微妙なアッパーミドルの消費者に対する、具体的なバリュー・プロポジションである。そういう意味では、GM商品の値下げ、食品導入は仕方がないのかも知れない。ターゲットにとってもアメリカ経済にとっても、景気後退が短期的なもので終わることが望みの綱である。