7月 30, 2010 流通業 経済 0

経済分析局の発表によると、アメリカの2010年第2四半期の国内総生産(GDP)は、推定値で前四半期より年率換算で2.4%増加した。これは第1四半期のGDPの+3.7%(上方改訂)に続く増加であるが、増加率は下がっている。増加要因は、住宅以外の設備投資、輸出、個人消費、民間の在庫投資、政府の支出、住宅投資で、逆に減少要因として輸入も増えている。GDPの約7割を占める個人消費は、第1四半期の+1.9%に続いて第2四半期も+1.6%となっているが鈍化が観られる。表を見ると、グラフが下降気味で、まだ下がりそうである。今期か来期で底を打たなかったらまた、景気後退に突入することになるかもしれない。
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7月21日、オバマ大統領によって署名され成立した金融規制改革法は、2008年に起こった金融システムの一部崩壊が2度と起こらないように、金融業界の包括的な規制が行われる事になる。それに伴い、一般消費者に関係の深い、クレジット・カードに関するチャージ、当座預金の過振り、ホーム・ローンの扱いに関するルールなども決められている。特にクレジット・カード及びデビット・カードのインターチェンジ・フィーについては、今後小売業に影響が表れると観られる。この問題について、連邦準備銀行ボストンが発表した審議文書によると、購買に現金を使っている世帯は、クレジット・カードを利用している世帯に、年平均151ドル支払っており、クレジット・カードを利用している世帯は、年平均1,482ドル受け取っているそうである。また、所得層で比較した場合、クレジット・カード会社が提供しているリワード(利用額に応じたリベート)を含め、年収2万ドル以下の世帯は年23ドルを支払い、年収15万ドル以上の世帯は756ドル受け取っている。これらの額は、小売商などが銀行などに支払う2%程度のインターチェンジ・フィーの分が通常の売価に上乗せされることによって、現金購買客は必要以上高く支払う為に起きている現象である。つまり、クレジット・カードのシステムは、貧富の差を広げる役目をしていることになる。アメリカの資本主義下では、決して珍しい現象ではないが、筆者も常々感じていた矛盾のひとつだった。キャッシュ・バックなどリワードの付いたクレジット・カードは増加しており、だいたい利用額の1%程度が何らかの形で還元されている。この還元によって、現金で支払う人達は、クレジット・カードを利用する人達を、間接的に支えているのである。筆者は、これらリワードの為の原資は、銀行が顧客にチャージする、決して低くない利息、支払遅延量、限度額超過料などで賄っており、相対的に所得が高く、毎月利用額を全部支払う為利息を支払っていない人達は、毎月利用額全額を支払えず、結果として高い利息を支払っている相対的に所得の低い人達からリワードを受け取っているシステムだと理解していた。今回の審議分を読むと、結果的には同じ現象が起こっているが、要因のほとんどは、クレジット・カード利用時に徴収されるインターチェンジ・フィーだということになる。つまり、クレジット・カードのリボルビング率(一括で支払わず、分割にする支払い方法)は、所得にあまり関係がないという事になる。所得の高い人達は、それなりに消費も多く、カードの借金も多いと云うことであろう。この結論が何を意味するかというと、今後の規制によって、インターチェンジ・フィーが抑えられれば、これまで銀行の手数料の35%程が充てられていたリワードの原資が減るわけで、近い将来廃止か縮小になると云うことになる。既に溜まった分を無効にすれば、すぐに起訴が起こるだろうから、今後の分がすこしずつ減らされるということか、どちらにしても、クレジット・カード利用の楽しみが減る事になる。筆者も溜まっているポイントをせっせと使うように努めたいと思っている。