7月 24, 2010 オンライン・リーテイラー ブック・ストア 家電・電子機器チェーン 流通業 1

オンライン販売で最大手のアマゾンは、6月30日で終わった第2四半期の業績を発表した。売上は41%増加し65.7億ドル、当期利益も45%増加して2億700万ドルと好調だったが、業界予測は下回り株価を下げている。増収は、主に電子機器とジェネラル・マーチャンダイジングの売上増加で、前年度より69%増加し34.9億ドルとなっている。書籍、CD,DVDなどメディアの売上は18%増加で28.7億ドルだった。電子書籍リーダー、キンドルの売上の成長率は、値下げ前の3倍とリポートされているが、どの程度売上に貢献しているかは発表されていない。一方販管費も40%増加しており、社員の増加や配送センター経費などの増加が顕著である。経常利益率は、売上の4.1%で、前年度の3.4%より改善しているが、第1四半期の5.5%よりは下がっており、同社は、ウォルマートなどとの競争激化の結果、13箇所の新しい配送センター追加や成長に伴うスタッフの増加であると説明している。電子書籍の売り上げは、全米出版社協会によると5月に前年度の163%、1月から5月まででは207%増加したと発表されているが、アマゾンの売上をそれを上回っている。例えば、ジェームス・パターソン氏執筆の電子書籍は今年114万部販売しており、76%はキンドルで販売されており、50万部以上販売している作家も5人はいるそうである。また、昨日のウォール・ストリート・ジャーナル紙のリポートによると、作家のエージェントであるアンドリュー・ワイリー氏と、著名なジョン・アップダイク、ノーマン・メイラー、フィリップ・ロス諸氏などの著書を含む20冊の2年間の専売権を獲得している。これは大きな出来事で、アップルのiPadによって、一度変えられたゲームを、さらに変えるゲーム・チェンジャーとなる可能性がある。アップルが電子書籍の価格を、アマゾンから出版社に帰属させる事によって、競争状況を変えたが、アマゾンが専売権を持つ事になると、その書籍を購入する為には、iPadの所有者も、キンドルのアプリを使用して購入しなければならなくなる。アップルにしてみれば、iPadの販売が主体であるため、書籍販売で無理な競争をするとは思えず、アマゾンにとっては、書籍販売の市場シェアを守れることになる。一番影響を受けるのは、バーンズ&ノーブルやボーダーズなどの書籍販売チェーンとなるため、今後彼らも何らかの対応策を取るだろう。今年のホリデー商戦までに、この電子書籍販売市場には、まだまだ動きがありそうである。上記の出版権を持つ出版社からは、電子書籍販売権に関する疑問が投げかけられているが、電子書籍の将来性を考えれば、業界の流れに逆らうより、将来の出版社の在り方を模索した方が前向きだと思う。