6月 25, 2010 ディスカウント・ストア ドラッグ・ストア 流通業 経済 0

ドラッグ業界のブログを書いているドラッグ・チャンネルズに、ウォルマートが調剤費用節減に関する提言を発表している。「Access Based Network Design」と名付けられたリポートは、現在の調剤流通システムでは、充分に競争原理が生かされておらず、最終消費者は高い費用を支払っていると結論ずけている。このリポートの作者である、ウォルマートのヘルス&ウェルネス事業開発のディレクター、マイケル・ストラウス氏によると、このシステムを導入すれば8%から10%の調剤費節約が可能であると予測されている。リポートのポイントは、現在の調剤流通が、健康保険会社や企業に委託されたPBMによって薬局のネットワークが構築されており、被保険者の住んでいる地域のほとんどの薬局をネットワークに含んでいることが非効率の要因であるとしている。つまり、ほとんどの薬局の経営が成り立つような調剤の処方に対する支払いがなされており、薬局側はこれらのビジネスに対して競争する必要がないのである。また、患者側も、どの薬局を使っても自己負担額が変わらない為、節約意識が起きないのである。これを、ネットワークに含む薬局の数を絞る事で(現在の6万店を2万店に減らす)薬局間の競争を促せば、患者の自己負担額の減額などで競争が起こり、より良いサービスが低価格で得られるというのである。例として、ひとつの企業が全社員の90%の住宅から6マイル以内に必ず店舗のあるネットワークを選んでも、1/3程度の薬局の数に絞る事が可能で、そのビジネスを得る為の薬局どおしの競争を促す事が出来るとしている。同社とウォルグリーンズは、既にキャタピラと似たような契約を結んでおり、キャタピラの社員は自己負額がない調剤保険を得ており、これがモデルのベースになっているようである。ただ、患者の利便さは犠牲になるわけで、社員側にはあまり人気が得られないかもしれない。実際、生活保護の一環のメディケイドは、調剤の購入できる薬局が限られており、不便さはある。これまでの調剤流通システムは、薬剤師と患者の関係を医師と患者のそれと同様に捉えており、患者の選択肢を最大限に広める必要があった。だが、実際には患者の多くは、薬局の場所など利便性を重視して店舗を選んでいる事が多く、ネットワークが限定されるのに充分な見返り(自己負担額減額)があれば納得するかもしれない。医療制度改革がすすむ中で、この問題も提起される可能性はあり、ウォルマートはこの分野でも重要なファクターとなろうとしているのであろう。
*ここで云う薬局とはボランタリー・チェーンを含むチェーンを指しており、個々の薬局の事ではない。ウォルマートもサムズ・クラブを含んで4,400箇所ほどのひとつの薬局のネットワークとなるわけである。
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経済分析局の発表によると、アメリカの2010年第1四半期の国内総生産(GDP)は、第三次推定値で下方修正され+2.7%となった。