12月 20, 2009 経済 0

大手銀行の不良債権処理もほぼ終わったようで、政府からの借り入れを償還している銀行が増えている。貸し付けの方も、少しずつではあるが、拡大方向にあるようである。家のローンも一時は、不動産時価の80%までしか融資しなかった銀行が、最近では、90%から95%くらいまで貸出す例が地域によって出てきている。勿論借り主である購入者のクレジット・スコアや、そのローンがコンフォーミング・ローン(ファニー・マーなどに売却可能なローン)であることは必須条件ではあるし、時価の80%以上のローンは、モーゲッジ保険(ローンの支払い不能に対する支払い保証保険)への加入が必要だが、一時の様に、最高のクレジット・スコアと、充分以上の頭金の要求に比べると随分緩和されてきている。同じように株価にしても、最近の値上がりで、PE(株価/利益)レシオはかなり上がってきている。11月の上場したダラー・ストア・チェーンであるダラー・ジェネラルも、1年前だったら多分一株15ドルくらいのIPO(上場価格)だったと思われるが、実際は22ドル以上の上場となり、PEに直すと22ほどになる。通常PE20以上はかなり高い成長率を市場が期待している事になり、実際資産の半分近くは無形資産で構成されている同社の場合、業績が変わればすぐに莫大な評価損が発生する。また長期負債も売上の約40%以上で、金利にも大きく左右される。因みにウォルマート、ターゲット、ファミリー・ダラーのPEは、それぞれ15.3,16.8,13.6である。現在の消費環境で、小売業の高い成長はあまり期待できる筈もなく、また、景気が良くなればなったで、ダラー・ジェネラルなどのダラー・ストアからトレード・アップする顧客も増えるわけで、PE22は過剰期待としか云えない。それではどうして日本で10年以上かかった経済回復が、ほんの1年余りで可能だったかというと、オバマ政権の舵取りが良かったと云いたいところだがそれだけではない。以前も書いたと思うが、まだ、基軸通貨であるドル、比較的な安全な投資先、他国(主に中国と日本)に対する莫大なドル債務などで、ユーロや発展途上国に対する投資よりも高利回りが得られる、ハイリターンな投資先と市場が見なしていると云うことである。これらの外国からの投資に加えて、最近では貯蓄率の上がっているアメリカの一般消費者の貯蓄も加わっているのである。連邦準備制度とオバマ政権は、2度目のバブル崩壊を起こさないように、今度こそ舵取りを間違えないで維持可能な経済成長を目指して欲しいものである。