9月 27, 2009 スーパーマーケット フードサービス 流通業 0

アメリカのアルコール飲料の流通は、効率の悪いシステムをいまだに使っている。禁酒法(1920年から1933年まで)の影響と云われるが、いまでも製造者(輸入元を含む)、卸し、小売の3段階に分けられており、他の食品や雑貨のように小売とメーカーとの直接取引は原則あり得ない。法律の詳細は州に権限があり、アルコール飲料販売の免許制、州の直営販売店などいくつかのパターンに分かれている。レストランやバーとスーパーマーケットなどの小売店は同じ小売と見なされる為、レストランへの納品は卸しから行われ、日本のように、小売店からレストランへの販売はない。このシステムの唯一の例外はワイナリーで、州にもよるが、ワイナリーは、直接消費者に小売していいことになっており、宅配業者を使った出荷なども行っている。この古いシステムは、基本的にアルコール飲料の値引き競争を抑えて、余り飲まないようということであろう。販促なども規制があり、景品を無料で付けることなどは禁じられている。規制の裏側には必ず非効率が存在するようで、ビール流通業界もその一つだと、サムエル・アダムスを生産している、ボストン・ビール社のCEOジム・コッチ氏は、ビールの卸業界のコンベンションで述べている。彼によると、3,000社ほどあるビールの卸し業界が効率をあげれば、年間25億ドルの節約になると提案している。その後のWSJとのインタビューでも、業界には計画的な非効率性が存在しており、それを改善すれば20%のコストが節減できる。例えば、同じ都市で営業する複数の卸しは、集中された一カ所の倉庫、共同のトラックを利用して小売に配送すれば効率があがり、燃料、人件費、設備などが節約できると述べている。彼らは単に商品を配送する役目だけならあまり存在価値がないのである。実際、規模の大きな小売業は、ビール・メーカーとの直取引を望んでおり、法律によって阻まれているだけである。会員制倉庫卸しチェーンであるコスコは、ワシントン州で訴訟を起こしており、3段階のシステムは変わらなかったが、小売と卸しの資本関係による統合が条件付きで認められた。実際、業界の改革はそれほど簡単ではなく、コッチ氏も10年のプロジェクトになるだろうと云っている。2大メーカーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブとミラークアースは、それぞれの卸しと特別な契約を結んでおり、保存方法、配送の仕方やトレーラーの塗装まで細かく管理しているのである。アルコール飲料はコーラ類とともに、アメリカの流通業界で数少ないDSD(店舗直接配送)のパッケージ商品のひとつである。