7月 26, 2009 Uncategorized 0

「ロスト・イン・トランスレーション」は2003年の映画のタイトルだが、実際に外交やビジネスで良くある話である。翻訳者又は通訳者の能力が乏しいのは別にして、多くはその国の文化背景の違いに所以する場合が多い。先日も、オバマ大統領の警察に対する発言に対する反響の大きさに、次の日記者会見に現れたオバマ大統領が、自分の発言の趣旨を釈明した。日本のメディアが取り上げたが、それぞれ書き方が異なっている。CNN,朝日、日経はそれぞれ次の様な見出しとなっている。

  • CNN.CO.JP: オバマ大統領、「警察は愚か」発言で釈明、謝罪には応じず
  • asahi.com: 人種問題めぐる発言、オバマ大統領が謝罪
  • Nikkei.net: オバマ大統領、「警察愚か」発言を撤回 黒人教授逮捕で

どれも間違っているとは思えないが、ニュアンスが違う。ホワイト・ハウスでの記者会見での、オバマ大統領の発言は、「“警察は愚かに行動した”という言葉の選び方が不幸にも間違っていた。担当警察官に電話を掛け話し、優秀な人物だと思いそう伝えた。後日、その誤認逮捕された教授と3人でビールを飲もうと誘った・・・」などである。だが、人種による偏見がある事については釈明はしておらず、アメリカの問題の一つであると述べている。このあたりを考えるとCNNの報道が一番正確ではないかと思う。
日本の流通業は、アメリカを手本にした部分が多く、いろいろな名前や言葉がそのままカタカナで使われている場合が多い。そのなかには誤解されたまま使われているものも多く、日本独自の使い方が定着してしまっている。一例をあげると、日本のスーパーマーケットには必ず「デイリー:日配」という売場がある。しかし、アメリカのスーパーマーケットには、「Dairy:乳製品」というのはあるが、「Daily」という売場はないのである。多分初期に視察に来た人達の読み違いから始まったのだろうが、日本ではそれなりに、日配売場が出来てしまっているから面白い。アメリカでもし豆腐などの日配商品を置くなら、多分デリ売場になるだろうから、日本人には使いにくいかも知れない。野球の用語の「デッドボール」やゴルフの「アゲインスト・ウィンド」など、誤解から生まれた和製英語は沢山あるので、それが日本の文化吸収能力なのかも知れない。誤解しても、結果的に良い事例を吸収することは大切だとも思うが、表面だけを観て、自分の知識だけで判断するのは間違いの元になるのではないかと思う。信じ込むのではなく、より多くの情報を得て、それを元に考察する能力が必要だと思う。筆者も一元的に判断しないように気をつけたいと思う。