6月 21, 2009 流通業 4

レッドボックスの急成長は、競争相手で業界最大手のネットフリックスに迫りつつある。景気後退下で、よりお値打ちを求める消費者が廉価なレッドボックスのサービスを支持していると観られる。プライスウォーターハウスクーパーズ社の調査では、アメリカの消費者は、昨年DVD購入よりもレンタルをより多く利用し、今年もその傾向が続くと予想されている。マクドナルド社のプロジェクトのひとつとして2002年に始められた、同社のDVDレンタル・キオスクは、既に15,400以上のキオスクをスーパーマーケットやディスカウント・ストアなどに設置しており、一日1ドルのレンタル料は高い人気を得ている。毎時1カ所のスピードでキオスクを設置していると云われる同社のネットワークは、最低価格でも2つのDVDで一ヶ月5ドルのネットフリックスの市場シェアを急速に奪っている。既にキオスクの数では、レンタル店の数を上回っておりその差は広まるばかりである。当初、マクドナルド社の営業戦略グループが、自販機を使った新しいビジネスとして開発したレッドボックスは、同時に開発されたフレンチ・フライの自販機、トイレット・ペーパーからグルメ・サンドイッチまで販売する、幅が5メートル以上もある大型のコンビニエンス自販機などの実験で、唯一成功したビジネスである。最初12台のキオスクの実験設置は、3年で900カ所ほどに急成長した。2005年の半ばには、共同経営だったのコインスターに売却され、彼らが既に持っていたコイン交換キオスク設置の営業チームによって、全米の小売店に設置されることになる。今年の5月には株式を上場する計画もあったが、経済状況で延期されている。コインスターの最新の四半期売上は1億5,400万ドルと急増しており、利益も伸びている。大きな要因は、このレッドボックスと、コインスターの別の子会社であるDVDXプレスというレンタル・キオスクである。一方ネットフリックの第1四半期の売上は21%増加して3億9,400万ドルと、成長率では遅れを取っている。ネットフリックスの競争利点の一つは、あまり知られていない映画を、利用者の過去の好みによって選び推薦するシステムである。この便利な特徴によって、同社の1,030万人の顧客は、10万以上ある映画のタイトルからレンタルするDVDを選ぶことで売上を伸ばしている。レッドボックスは自販機という制約もあり、通常、最新の200種類の映画、700枚ほどのDVDを備えているだけである。魅力は一晩1ドルという低価格で、試してみようという顧客が多いことで、先月だけでも400万人ほどの顧客が、レンタルをしている。それに比べて、ネットフリックスはDVDを郵送してくるサービスの為、往復の郵送代が同社の負担となる。そのため、顧客が毎月数多いDVDレンタル契約をし、長い期間レンタルした方が、利益が上がるシステムである。レッドボックスが低価格でDVDレンタルの回転をあげて利益をあげるのに相反している。従ってレッドボックスは、機械に在庫する映画のタイトルの品揃えと、それぞれのDVD数の最適な予測が鍵となる。インターネットを利用して、キオスクの場所の選択と、映画の予約をすることもできるが、大部分の顧客は1ドルという低価格がレンタルの動機となっている。だが、実際借りた場合、大抵の顧客は2−3日借りており、同社の売上、利益源ともなっている。また、レッドボックスはレンタル後のDVDの販売も行っており、通常レンタル開始後2—3ヶ月後に販売されるDVDを、早い時には2週間後くらいに、一枚7ドルで販売している。この販売は、契約違反にあたるとして、最近ユニバーサル・スタジオは同社へのDVD販売を止めており、現在裁判沙汰となっている。もしレッドボックスが敗訴することになると、同社の利益源の一つとなっている販売が出来なくなる可能性がある。将来的には、インターネット視聴やダウンロードなどによって消滅するだろうDVDレンタル・ビジネスだが、アメリカの世帯90%以上が持っているDVDプレーヤーの普及状況を考えるとまだ近い将来ではないと思われる。ここしばらくは、成長ビジネスとして伸びていくだろう。AP