6月 29, 2018 オンライン・リーテイラー ディスカウント・ストア ドラッグ・ストア 流通業 0

昨日レポートした、アマゾンによるオンライン調剤販売のピルパック買収合意が、業界で大きな反響を起こしている。ウォルマートもピルパックの買収交渉をしていたそうで、提案買収額は7億ドルほどだった。アマゾンの提示額は10億ドルほどと推測されており、ピルパックの年商の10倍となる。通常このPrice to Sales Ratioは1―2倍が適当と云われているが、将来性を考慮すると妥当なのかもしれない。因みにジェット・コムのウォルマートによる買収額は売上の約3.3倍だった。しかし、ピルパックが既に49州で取得している調剤の郵送販売のライセンスの価値は相当なものである。また。PBM大手のエクスプレス・スクリプツとの販売契約も同様である。PBMの大きな利益源は、調剤の郵送販売であり、競合するピルパックとの契約は通常は難しい。この契約は7月末には更新時期が来ており再交渉されるとエクスプレス・スクリプツの広報担当者は述べているとCNBCは報じている。

ウォルマートは、2006年9月にジェネリック調剤の30日処方を$4で販売し業界に波紋を投げかけた。これは当時同社USのCEOだったビル・サイモンが仕掛けたものである。ディスカウント・ストアやスーパーマーケットはすぐに追従したが、大手ドラッグ・ストア・チェーンは静観した。それでもウォルマートのジェネリック調剤販売額が急増したことで、後に同様な売価を導入している。調剤販売の業界は、規制や健康保険会社(PBM)などに大きく影響を受けており、価格競争の影響を受けにくい。それでも、徐々にコスト節減のためのインセンティブが患者にも与えられ変わり始めている。

アマゾンの調剤販売参入によって、同社がさらに巨大化するのが良いかどうかは分からないが、これまでのところ、低価格を得ている消費者が恩恵を受けている事は否めない。アマゾンの影響力はロゴの様にAからZに及ぶようになるのかもしれない。